「インチャリラジオ合唱団 x オッチモアクセ」のこと | オリジナルアクセサリーのセレクトショップ|otimo acce. -オッチモ アクセ-

「インチャリラジオ合唱団 x オッチモアクセ」のこと

会いたいと思っていた人に会えたり、いつかやりたいと思っていたことが実現するのは嬉しいもの。それが色んな偶然やタイミングの上に成り立っている場合には特に。

確か15年以上前。

OZ magazine か湘南スタイル辺りの雑誌上でインチャリさんとインチャリさんの作品=内装を見た所から今回の企画のきっかけがスタートしたことになる。誌面に写っていたインチャリさんの内装は、単に「お洒落」という言葉では片付けられない何かがあった。その記事中には連絡先もサイトのアドレスも無く、湘南界隈を活動拠点とする「謎の大工兼アーティスト」という印象だけがしばらく頭にこびりついていた。

そして10年程前に、ノリと勢いで湘南に移り住み、しばらくして茅ヶ崎の雰囲気にも少し慣れてきた頃。今は無き名店「Lama Coffee」でインチャリさん絡みのイベントがあり、ふらっと立ち寄った時に初めて言葉を交わしたのを覚えている。当時自分が乗っていた自転車に付いていたBrooksの革サドルについてたわいもない会話をした気がする。その時はイメージしていたより小さくてかわいいおじさん(失礼)だなと思った。

そしてインチャリラジオを初体験したのが、数年前に大磯の歯科医院跡を改装した雑居ビル「OISO1668」での「インチャリラウンジ」というイベント。確か2012年の1月辺りだっただろうか。その時点では「インチャリラジオ合唱団」なるものがなんなのかよくわからなかったが、インチャリさんがやるイベントなら行くか、というノリだった。

OISO1668は建物の古さを活かした空間で、その中の一室を適度に飾って行われた「インチャリラジオ合唱団」は、音楽と古びたものが好きな自分にはとても魅力的に映った。当時は今ほどBluetoothが普及していなかったけど、敢えてFMトランスミッターという、世間から忘れかけられているものを引っ張り出してくるあたりもインチャリさんらしい。

薄暗い歯医者後の空間の中、形も年代もばらばらなビンテージラジオから音楽が流れる様子には何か惹かれるものがあった。しかも同じ音源を電波でキャッチしているにも関わらず、筐体の大きなラジオからは低音中心の野太い音が、小さなラジオからは高音中心のピュンピュンした音が流れでているのが明らかにわかる。まさに身体や声帯で声質が変わる人間の合唱団のようだった。

なぜかラジオ達の写真が残っていないのが残念だけど。

その後会場でインチャリさんと色々話した際には、将来自分の場所を持った時にはぜひ内装をお願いしたいとかインチャリラジオ合唱団を茅ヶ崎でやりたいとか、今思えば知り合って間もない人に適当な事を撒き散らしていた気がする。ただそれが今回の企画のきっかけになったのも事実で、やはり人に言葉で考えを語ることも結構大事。

今回はオッチモアクセの裏テーマでもある、「アンティーク」や「経年変化」というキーワードにもぴったりな企画だということもあって、師走の忙しい時期に無理を言って開催させてもらった。今回も8台位のラジオを設置して貰ったが、一つ一つのラジオから流れる音は、同じ電波を掴んでいるにも関わらず、個性溢れる音が出ていて嬉しかった。今回は企画内容や選曲をオッチモアクセとして自由にやらせて貰ったけど、最初はそれがインチャリさんが考えた、「インチャリラジオ合唱団」とズレるのでは、と不安だった。ある日正直にそこをインチャリさん本人に聞いてみた。それに対してインチャリさんはさらっとこう答えていた。

「毎回インチャリラジオ合唱団はやる人や場所によって変わるし、解釈も相手に任せてるので大丈夫」

とのこと。なんか懐広いわー。
もしかしたら「インチャリラジオ合唱団」は、インスタレーションというよりは、メディアみたいなものなのかもしれない。

そしてこの「インチャリラジオ合唱団xオッチモアクセ」企画には勝手な思い入れがあるので、オッチモアクセとしての活動と共に、いつか何処かの空間でまたやりたいと思っています。お楽しみに。


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